ロゴ作成を依頼する際の選択肢について

会社や商品のロゴは、それを消費者や利用者に見せるための顔ともいえる重要な機能を持っています。同一水準の性能であっても、その出来不出来によってアピール力が大きく変わりますし、売り上げへの影響は言うまでもないものです。

ここでは、そういったロゴ作成をする際に取ることが出来る選択肢について解説していきます。

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デザイン会社への外注

まず間違いのない高い品質のものを必要とするのであれば、デザイン会社との取引がおすすめです。基本的に一定水準の技術力を持ったデザイナーを抱えていることが多く、会社資料などでポートフォリオを確認することもできることから出来上がりのレベルもはかりやすいことがポイントです。

会社によって傾向はあるので、商品や社名などどういった部分に使うものなのか、また訴求対象はどういった層なのかを明確にしておくことでより焦点を合わせていきやすくなります。相手もプロであることから、ヒアリングなどを経てもともと意識していなかったポイントを探れる場合もある点も効果的なところです。

外注であるということは、社内とは疎通手段が異なる点には注意すべきです。社内の不文律などは通じないことは当然として、要不要の部分も言語化して共有しておくことが失敗の回避につながります。

内製で一定の質を保つ

社内にデザインチームを常駐する方法もあります。ロゴだけでなく様々なノベルティなども必要とする会社ならば、常に何らかのデザイン作業が動くことになるので、社内で抱えてしまった方がコスト的にも効率が良くなる場合があります。

複数人の作業量が必要ならその人数分だけ作業するための設備も必要になってきますが、企画立案から完成までを社内で管理できることでより工程の見通しが立ちやすくなるのは大きなメリットです。会社用に特化したものになるので、必要とするポイントや技術を高めて精度を上げやすいところも魅力です。

ものづくりの場合にはレファレンスの有無が大きく仕上がりを左右することも少なくないですから、蓄積した知識や技術が積みあがっていくことは会社にとっても大きな資産となる可能性があります。

スキル販売サイトなどの活用

個人でスキルを案件や時間単位で販売しているサイトが存在します。クラウドソーシングサービスなどが代表格です。こうしたサイトでは、要望や依頼を投稿することでそれぞれの個人事業主が費用やラフ案などを持ち寄ってプレゼンしてくれるものがあります。

玉石混淆ともいえますが、見る目があるのならば中間に会社などが入らず、登録サイトの利用料くらいしか上乗せされないので内容に比べてかなり安くなることがあります。また、作例などを公開しているデザイナーをこちらから閲覧していくことで、募集ではなく依頼の形で業務を行うことも可能です。

会社などに所属した経験がない、またはそうした手間を取りたくないというだけで技術的には高いものを持っているという人も大勢います。そうした人の場合には相場観などがBtoBの慣例と異なる場合も多く、交渉の余地がとても大きいところも魅力の一つと言えます。

ただ、ポートフォリオ閲覧の際に、画像検索などを併用して別のものが出てこないか確認するといった作業は怠るべきではないです。既存の作品などを自作と標榜して仕事を得るような不届きな人も中には存在するからです。

そういったデザイナーでも出来上がりが良ければ問題ないのですが、看板としている作例がそもそも他人のものであれば、その水準まで技術を積み上げていることはおそらくないです。中間業者や斡旋業者などが介在しない分、判断や評価も下していく必要があるという点は留意するべきです。

公募をつかってアピールも

ロゴデザインはプロによるものだけとは限りません。会社設立や老舗のイメージ刷新などの際には周囲への存在アピールも兼ねて公募によるデザインを採用する方法があります。公募は、必要な要件となるイメージや締め切りなどを設定したうえで、デザインを応募してもらうという方法です。

年齢性別などに関わらず多岐にわたるものを見ることが出来るのが大きな魅力となります。ロゴの利用に際しても、公募の際に謝礼となる景品や特典、賞金などを設定しておけばそれ以上の出費は必要ないので、設定次第では大きくコストダウン出来ます。

公募の場合には、会社やサービスなどの知名度がその応募数やレベルに大きく関わってくることが特徴です。良く知らないものを作るのは難しいですし、愛着などが存在しないものを熱心に作り込むこともなかなかできないものだからです。

そのためある程度老舗であったり、設立メンバーがもともと著名であるなどのアドバンテージがある場合にはその活用方法の一つとして考えられます。期間や報酬の設定が自由という点は魅力ですが、一方でシビアにするとそもそも応募数が少なくなりクオリティも下がってしまうという欠点があります。

安く上げやすい点はメリットなのですが、あまり省かないのも重要と言えます。

指名による直接依頼

印象的なロゴなどがあり、そのイメージを取り入れたいなどの理由がある場合には、直接それを作ったデザイナーに依頼するというのも有効な選択肢です。具体的な作品についてはもともと評価しているものですし、それに並ぶようなデザインを求めるのであれば同じ人物ならより成功する可能性が高くなるからです。

人気デザイナーの場合には、ピンポイントで依頼するとかなり高額になることもあります。納期などのすり合わせを予めしっかり行うことが重要ですし、それが繁忙期なのか閑散期なのかもよく見ておくことが必要です。他の仕事も詰まっているときよりも、何となく空いているときの方がデザインに使える作業量は増えるので品質も上がるからです。

予約のような形で長めの期日を設定しておくと、相手方も作業しやすくなるかもしれません。

契約の内容にも注意を払って

デザインはその利用目的ごとに契約を結ぶことが一般的です。包括的になんにでも使うことが出来るものにする場合にはそれなりに高額になることを忘れないようにしましょう。利用目的が決まっているときには、その内容すべてに対してデザインを使えるように契約を結ぶ必要があります。

後から他の商品などにも使っていきたいとなったら、それについては目的外となるため新規に契約しなければならないからです。

複雑な利用の場合には弁護士などと事前準備を

ロゴデザインはそのグラフィックだけではなく、法的な契約も内包することがあります。内製の場合はともかく、社外で作成する場合などは納品時の契約についても注意を払いましょう。利用目的が複雑になる場合、多岐に渡る場合などは取りこぼしがないように弁護士などの専門家と書類作成をした方が無駄がないかもしれません。

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